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2023年08月28日

2023VFK新体制発表記者会見:代表取締役社長 佐久間 悟 クラブスローガン、チーム編成


2023年01月07日に掲載された記事です。

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代表取締役社長 佐久間 悟

▶︎挨拶
みなさん、明けましておめでとうございます。ヴァンフォーレ甲府の代表取締役社長の佐久間と申します。記者会見の席でございますので着座のままご説明をさせていただきます。宜しくお願いいたします。

まず初めに、日頃よりヴァンフォーレ甲府に多大なるご支援を賜っております、またご声援をいただいておりますスポンサー様、そしてファン・サポーターの皆様、山梨県サッカー協会様、サポーティングスタッフの皆様、さらにはホームタウンに関わる行政の皆様方をはじめといたしまして多くの関係者の皆様方に心から感謝と御礼を申し上げたいと思います。

また本日はこのように多くのメディアの皆様方にも出席をいただいておりますが、先ほど司会者の方からご紹介がございましたけど今年も私どものスポンサー様でございます株式会社フォネット様のご協力のもと、インターネット配信をさせていただくことを大変光栄に思っております。毎年ありがとうございます。

さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響が未だに収束を迎えていない中で、ヴァンクラブ・ゴールド会員の皆様方と本日ご一緒させていただき、会見を迎えられることを非常に心強く感じております。

同時に今日、私たちのスーツの胸に令和5年度の新春の祝賀会におきまして、2022年昨シーズン昨年躍進した人に贈られる「ア・マン・オブ・ザ・ジュエリー」にヴァンフォーレ甲府が選出され、表彰を受けました。受賞者にはこのオリジナルスタンドピンが贈られまして、私も本日からこのジャケットに付けさせておりますけど、制作は甲府市商工会議所様と山梨県水晶宝飾協同組合様がご一緒に手掛けていただきました。改めて感謝を申し上げたいと思いますが、またこのスーツに新たな責任を背負って立ち向かうシーズンにしていきたいと非常に緊張しております。

私からはまず、2023シーズンのチームスローガンを発表させていただきます。


▶︎2023クラブスローガンの発表と説明
2023シーズンのチームスローガンは『疾風怒濤』です。
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2023シーズンは国内での戦いと合わせて、国外を舞台としたアジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)での戦いが待ち受けており、誰もが経験したことのない激動のシーズンを迎えることになります。

この貴重な経験をクラブに関わるステークホルダーの皆様と果敢な挑戦を繰り返し、最大の結束力で荒波に立ち向かい、その先にある夢、そして希望に向かって突き進んでまいります。

「疾きこと風の如く」勢いのある攻め上がり、そしてどんな時も決してひるまないヴァンフォーレ魂で戦い抜き、J1昇格を目指します。

サッカーを通じて人々を繋ぎ、そして多くの幸福が生まれるシーズンへ、本日ここにいらっしゃる皆様と共に団結をしていきましょう。

宜しくお願いいたします。


▶篠田監督選定の理由について
本来でありましたら、本日同席している西川陽介強化部長からご説明をさせていただくところではございますが、今シーズンはシーズンが非常に早く、現在西川はアカデミーダイレクターも兼務しているということもございまして、アカデミーの進路とチームの補強のタイミングが重複をしてしまったということがありましたので、今シーズンはチーム編成の情報につきましては、森スカウト部長が必死になって情報収集をして、多くの試合会場に見に行って、そしてもちろん新卒の選手のバランスも当然ありますからそういう意味では改めて手前みそになりますけども、森スカウト部長は身内ではありますけども、森さんの存在とクラブに対して本当にタフな仕事をしていただいたということについて、私は感謝を改めてしたいなという風に思います。

さて、昨シーズンは『躍進』をスローガンに掲げ、リーグ戦に臨みましたが、皆様ご承知の通り最終順位は18位で終了することになりました。目標に掲げた自動昇格はおろか、参入戦にも進出することができませんでした。私自身ヴァンフォーレに関わって最も成績の振るわないシーズンであったということで、本日出席されているゴールド会員の皆様はもちろん、ライブ配信をご覧になっている多くの皆様には期待にお応えすることができなかったということについて、チームの強化責任者として本当に力不足であったということを言わざるを得ないと思っています。

昨シーズンは再登板していただいた吉田琢磨監督には、最終的には「天皇杯優勝」という新しい歴史を刻んでいただきましたが、残念ながらリーグ戦での成績を理由に更新を行いませんでした。言葉の引用が適切かどうかは分かりませんが、諸葛孔明の「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」といったところで、私はそういう心境でありましたけども、彼にとっても私にとっても非常に残念ではありましたがクラブとしては監督を交代して前に進んでいこうという選択をしました。

後任の監督の決定までには、皆さん非常にやきもきしたのではないかなというふうに思っておりますけども、最終的には篠田さんに新監督として就任していただきました。篠田監督とは以前から私も交流がありまして、私たちもJ1にいた時は常にJ1の選手の情報収集をする中で、篠田さんの存在というのは私たちに常に有益な情報を提供していただく、そういうような仲間でもありました。

篠田監督の選定の理由につきましては既にプレスリリース等で発表・掲載をさせていただきましたが、改めて話させていただきますと、福岡時代にJ2福岡からJ1に昇格をさせたご経験がある事、その後FC東京、清水エスパルスといったJ1でも大きなクラブのご経験、またここ数年間はJリーグで多くの監督が変革を起こした監督がいらっしゃいます。例えば城福監督、ポポビッチ、マッシモ・フィッカデンティ、ヨンソン、クラモフスキー、ロティ―ナ・・・。このような優秀な監督のもとでコーチとして活躍されたご経験が、特に若い選手が非常に多く存在しているヴァンフォーレに新しいエッセンスを加えていただけるのではないかなと考えました。

また最終的に誰もがあまり予想していなかったと思いますけども、清水エスパルスとジュビロ磐田というJ1のチームが降格してきたということを考えますと、昨年の両チームを知っているということも私たちにすれば大きなアドバンテージとして評価させていただきました。

もちろん関わった外国人の監督には超攻撃的な監督も超守備的な監督もいらっしゃったと思いますけども、そこで培った経験を必ずやヴァンフォーレ甲府の選手・コーチあるいは我々クラブにとってもリ・スキルに繋がるという風に、そこを大いに期待しているところであります。

また、日本のクラブ代表としてACLを戦う訳ですけども、このACLも私たちは山梨県というよりは日本を代表して本当に魂のこもった戦いを絶対にしたいと思っています。そのチームを率いるリーダーは、最終的には山梨県に所縁のある、もっと言えば山梨県出身者が率いていただくことが望ましいと考えました。篠田監督は予算規模の大きなFC東京と清水エスパルスから移籍をされてきてヴァンフォーレという、先ほど歴史と伝統のあるクラブで仕事をさせていただくことが光栄だという風に言っていただきましたけども、私は彼といろんな話をしていた時に、やはりサッカー人として山梨県民としてサッカーの中にロマンを追求しながら人生を生きているなと、そういう彼がこの甲府を選択してくれたことは、本当に感謝しかありません。

私どもはクラブとして篠田監督を全身全霊でお支えすると、そのような覚悟で臨みたいなという風に思っております。是非篠田監督には攻守においてアグレッシブで、そして戦う集団――スカウトの森さんは「佐久間さん、ヴァンフォーレ甲府の選手は常に全力で戦うということをイメージにしたらいいんじゃないですか」と常に言っていますが――分かりやすくて、シンプルなフットボールをして勝ち点を積み上げていただくことを私は大いに期待したいと思っています。


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▶チーム編成のポイントと具体的な補強について
5つのポイントを重視しました。
◆1.得点力不足の解消
◆2.失点の多さ
◆3.予算。
◆4.選手の継続性
◆5.ポジションとバランス
です。

昨年の18位に甘んじた結果を考えますと、一つは明らかに得点が少なかった。そしてまた明らかに計画を大きく上回った失点の数です。そしてこのストーブリーグで私たちのような予算規模で一番注力しなければならないのは選手の継続性なんです。いわばどんどん選手が移籍をしていってしまうということで、なんとしても主力の選手をとどめたいと言うところに重きを置きました。そうは言っても4つめは、ACLもある、クラブの経営の健全化ということも考えますと予算をかなり意識しなければいけないということもありました。あとは昨年左利きの選手が少なかったり、一つのポジションに選手が多かったり、少なかったりということがありましたので、それをかなり意識して行いました。

特に昨シーズンは当初は平均失点0.85を目指しました。一昨年の3位になった年が平均失点0.9で昇格できなかったので、それよりも守備を固くしたいなということで0.85としたのですが、残念ながら失点は54。平均失点は1.29となりました。
失点の多くの原因は、実はビルドアップ、ボールをバックラインから繋いでいる時のミスと同時にセットプレー、あるいは終盤に相手がロングボールを駆使してパワープレイで攻略されるという終盤の失点でした。メンデス選手が移籍した後に私が日本人選手で埋めようということを考えていのですが、実際にうまくいきませんでした。残念ながらその穴が予想以上に大きく苦戦したシーズンでしたけども、同時に先制点を奪われるーー篠田監督と話していた中で、J1でもJ2でも先制点を奪われるとプランを崩して何かやらなければいけないーーということが多かったと思っています。

しかし、昨シーズン途中でマンシャ選手を獲得しましたので、まずDFの安定を図るということでマンシャ選手を続投しました。そしてFC東京からはフィジカルの強さと対人に強い蓮川選手を獲得しました。また左利きでビルドアップできる選手が不可欠であるということを考えて川崎フロンターレから神谷選手を補強、それ以外にも専修大学から対人能力の高さとスピードに特長のある井上選手を獲得しましたので、昨シーズン経験を積んだ野澤陸選手や大和優槻選手、さらには特別指定選手となっておりますけど山梨学院大学在学中の一瀬選手も加入をしてくれますので、一定のバックラインの補強はできたと思っています。

サイドのポジションは昨シーズン特別指定選手として公式戦でも活躍した三浦選手が日本体育大学から加入していただきました。昨シーズン急成長した小林岩魚選手は途中で負傷してしまいましたが、今シーズンは復帰して大いに活躍していただきたいと期待しております。あとで紹介しますが、松本選手という非常に万能型の、特にゴール前で強さを発揮できる選手を獲得しましたので、篠田監督も含めてサイドのクオリティーを上げたいということで言うと、小林選手の一日も早い復帰を願っております。さらに98年組として活躍してくれている須貝君も残ってくれました。最後は篠田監督がお決めになることだと思いますけど、両サイドで起用されることになるのではないかなと思っておりますけども、そこにはさらに関口、荒木の両選手がおりますので、今シーズンは過去に例をみないほどの熾烈なポジション争いがクラブの中に新たな活力を生み出してくれるのではないかなと期待をしています。

中盤に関しては、昨シーズンの中心であった山田選手、石川選手、野澤選手の3名が移籍と引退をしました。特にチーム全体のヘソとして大きな役割を担っていた山田選手の穴は、実は大きいなと感じております。終盤に存在感を発揮してくれた石川選手も大宮への復帰を選択してしまったので、残念であったと思っています。

皆さんのご記憶の中では2021シーズンに広島から来た野津田君のイメージをお持ちかなと思いますけども、先ほど得点力不足のお話をしましたけども、個々の最大の原因は実はセットプレーからの得点の減少だったんですね。2021シーズン、伊藤彰監督の最後のシーズンはセットプレー関連(コーナーキック、フリーキック)で23点を取りました。コーナーキックからは13点。総得点65点のうち35%がセットプレーによる得点でした。昨シーズンはセットプレー関連の得点は11得点しかありません。うちコーナーキックからは4得点でした。総得点47のうち23%がセットプレーということでしたので。しかしコーナーキックの数はJ2ダントツで236本ありました。236本でダントツ1位の甲府が、セットプレー関連で11得点しか取れていない。これはつまりキッカーが不在ということ。特に試合時にそういった選手がいなかったということに重きを置きましたので、今シーズンはまず第4のコーチとして昨シーズンに岐阜で監督を務めていました横山さんに加わっていただきました。現在の日本サッカー協会、技術委員長の反町さんもーー日本代表、ワールドカップでは結果が出ませんでしたけどーーセットプレーの得点率を高めるためにセットプレーの担当のコーチを置くというような。この横山コーチにそういうような役目をある程度担っていただき、セットプレー関連の問題を改善できればと思っております。

中盤はそういう意味では松本から佐藤君に復帰していただき、FC東京からは東京では次世代のエースとして期待されている品田選手、そして昨年は野津田君の後に今年加わっていただいた土肥選手にオファーしたんですね。しかし残念ながら私は裏切られて、裏切られてという表現は適切ではないですけども、なんと水戸に行ってしまいました。今年はもう一度ラブコールを送って、先ほど初めて会って土肥君によく来てくれたと伝えましたけども、今年はラブコールに応えてくれたということで3人の有能なフリーキッカーを獲得することができました。さらに松本凪生選手が残留をしてくれたということもありますので、ある意味今年は中盤は充実をした戦力が揃っています。さらに大卒ルーキーとしてーー山田選手の穴を埋めていただけることを期待して、またバックラインで私たちのレジェンドである山本選手の後継者として守備的ミッドフィルダーとリベロをできるーー遠藤選手に専修大学から加入していただきました。長期離脱をしている林田選手、松本から復帰してくれた中山陸選手を含めて、篠田監督は今構想の中でどお幼なことをお考えになっているのかは分かりませんけど、もしかしたら4バックもありうるということで言うと、非常に優れたフットボーラーがミッドフィルダーに集まって、非常に質の高い集団になったと思っています。

前線に関しては背番号10を何としても背負いたいということで長谷川選手が残留してくれました。そして同時に鳥海選手も残ってくれました。大きな戦力だと思っています。もちろん、三平選手の残留も私たちにとっては様々な意味で大きなメリットをクラブにもたらしてくれると確信しています。ただしここ数年来、得点力不足ということにあえいでいましたので、カマタマーレ讃岐から大型の万能選手である松本選手を獲得しました。松本選手は大きな負傷、そして挫折を乗り越えて昨年J3で攻守にわたって献身的なプレーをしていると森スカウトが認めて、私たちのクラブの中で大きな期待を背負って今シーズン活躍してくれるのではないかなと信じております。また大学生では横浜桐蔭で年末に優勝した――私は勝手に「横浜のロッベン」と呼んでいますけども――水野選手が来てくれました。切り裂くドリブル突破を武器に新たな戦力として十分に計算できると思っております。そして京都からは昨シーズン残留の立役者であるという2人を幸運にも獲得することができました。武富選手とピーター・ウタカ選手であります。ウタカ選手は復帰となるので皆様に紹介する必要はないかと思いますけど、両選手はベテランの域に達しておりますけども、ヴァンフォーレ甲府に加入して更にリ・スキルをして得点力不足の解消に貢献していただけることを期待しております。

それ以外にも成長著しい宮崎選手やアンダーカテゴリーの内藤大和選手、そして飯島選手には大いに期待したいと思います。

最後にゴールキーパーですが、岡西選手が長きにわたってクラブに貢献をしていただいていたんですが、どうしても出場機会を得たいということで移籍をしました。本来であれば2名の獲得体制で臨みたいところであったのですが、まずは名古屋から渋谷選手に来ていただきました。彼は横浜FCで活躍を認められて、希望に満ちて名古屋に移籍したんですけども、残念ながらランゲラック選手という素晴らしい外国人選手が同時に加入したというアンラッキーな所もありましたので、今回は甲府に出場機会を求めて、本当に大きな覚悟をもって甲府に来ていただきましたので、河田選手と山内選手と高いレベルの争いをしていただけるのではないかなと思っています。

当面はフィールド選手30名(昨年は26名)、ゴールキーパーは3名(昨年は4名)の総勢33名で昨年より3名増でスタートとなります。今後については更にストライカーの補強を検討したり、ゴールキーパーの補強をしたりということも考えていきたいと思います。

決して昨年の言い訳をするつもりはありませんが、今のJ2というのは降格のリスクが常にある、表裏一体の厳しいリーグであると言わざるを得ません。非常にハイレベルなリーグになるのではと思いますけども、私たちは昨年同様、まずはこのリーグ(J2)にとどまることを死守し、それを超えた後に勝ち点84、J1自動昇格、来年はJ1にうまくすればJ2から3チーム上がれるという可能性がありますので、何としても84を目指してJ1昇格を果たしていきたいと思います。


▶︎最後に
今シーズンもヴァンフォーレ甲府は人々を繋ぎ、郷土愛を大切にして、多くの皆さんの幸福をもたらす存在でありたいと、クラブとしての理念を忘れずに戦ってまいりたいと思っております。ヴァンフォーレ甲府に関わる全ての皆様には、変わらぬご支援とご声援、ご協力をお願い申し上げたいと存じます。

森スカウト部長が本当に頑張ってくれて、今年はいい選手補強ができたと私は思っております。私も昨年の成績の反省を込めて、皆様には包み隠さずお伝えすることが私の一番最初の仕事だと思いましたので、話が長くなりましたがお伝えさせていただきました。

私からは以上でございます。ありがとうございました。
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