ヴァンフォーレ甲府:城福 浩監督
【提供 J's GOAL】
●城福浩監督(甲府):
「我々は今シーズン、10000人に満たない観客数から始めて、前節はホームで満員に出来たというところ、あるいは、複数の練習場で練習をしながら結果を出してきたという意味でも、我々は勝ち取ってきた集団であるということでは、今日、他のチームの結果はどうであれ、自分たちで勝ち取ろう、それが我々らしいと言って選手たちを送り出しました。選手たちが、その意をくみとってくれて、本当に強い気持ちで試合に臨んでくれたと思います。内容としては、最後に押し込まれてしまいましたが、選手、スタッフ、サポーターが一丸となって勝ち取った優勝だったと思います。本当に彼らを誇りに思います」
Q:財政的にも劣る中で、このクラブが、こういう結果を勝ち取ることが出来た最大の理由は、どういうところにあると考えていらっしゃいますか?
「本当にギリギリの人数の中で、営業、現場スタッフ、主務らがグラウンドをとり、グラウンドを作って練習し、毎回、全撤収をしながら次の日に臨むという毎日を過ごす中で、これまで、栄光と悔しさを繰り返してきた歴史から、もう悔しい想いをしたくないという気持ちが一緒に働いている中で伝わってきました。あるいは、去年からここに残った選手たちも、あるいは新しく来た選手たちも、自分たちはこのまま終わらないという強い意識を持ってグラウンドに立ち続けてくれた賜物だと思っています。本当に、いい環境ではなかったからこそ、財政面ではJ2の中でも苦しかった状況だったからこそ、なし得た一体感だったと思いますし、苦しい時も含めて、ぶれずに目標に向かえたからだと思っています。もちろん、いろんなことがありましたけれど、現場を仲間たちが背中を押し続けてくれた1年だったと思います」
Q:ヴァンフォーレ甲府というクラブにとっては初めてのタイトルになりましたが、このタイトルがクラブにもたらすものは何だとお考えですか?
「J1であろうが、J2であろうが、トーナメントであろうが、優勝を経験出来る選手、スタッフは、Jリーグの中でも、そう多くはありませんし、このクラブに所属して10何年経っている選手でも、優勝を経験していない選手が当たり前のようにいます。そういう意味では、この優勝にすごくこだわっていましたし、彼らとともに優勝を勝ち取れたというのは嬉しく思います。クラブが一つの歴史として、次のステージで結果を勝ち取るためのベースになって行けばいいなと思います」
Q:監督のアクションなどを見ていますと、前半の内容にはさほど満足していないようにも見えましたが、その前半の受け止め方と、メンバーを見れば、アビスパ福岡には能力の高い選手たちがいる、そういうチームに立ち向かうために、選手たちに1年間まっとうさせ続けてきたことは何だったのか教えてください。
「前半に関しては、そんなに悪い内容ではなかったと思います。ただ、相手のポゼッション能力が高い、選手たちの個々の能力が高いチームなので、ボールは回されるかも知れないけれど、焦れずに辛抱して、奪って、我々のサッカーをするという意味では、そんなに悪くはありませんでしたし、2点目、3点目は非常に美しいゴールだったと思います。ただ、自分たちのミスでピンチを招いていた繰り返しがあったので、1回、2回、繰り返した時に、相手が何を狙っているのか、自分たちが何をした時にピンチになっているのかということを指示している最中に、またピンチが訪れたことがあって、少し厳しい言葉をかけました。二つ目のご質問に関しては、今日で39試合目になりましたけれど、全くスタンスを変えずに1年間を過ごしてきました。開幕3連勝した後、ゴールデンウィーク明けまで、本当に苦しい時期がありましたけれども、毎試合、毎試合、我々が目指すサッカーの中で、何が出来て、何ができなかったのかということを、フィードバックのビデオを作り、グラウンドで選手たちと話し合ってきました。負けても成果を確認するし、勝っても課題を確認する。試合後は必ず自分たちと向き合った3日間があって、その次に対戦相手の対策を綿密にやる2日間があって、この5日間というのを、どんなにいい時でも、悪い時でも続けてきました。そうすることによって、なぜ勝点1に終わったのか、なぜ勝点0で終わったのかという悔しさが選手の骨身に染みてきた。その成果が後半戦の無敗記録につながったと思います。チーム作りとしては最初から何も変わらない、それが一番大事なことだと信じてやっています」
Q:1点差ゲームの勝ちが非常に多いのですが、何が良くてここまで1点差ゲームでの勝利が多いのでしょうか?
「一昨年の柏さん、去年のFC東京さんのように戦力が抜群に整っているチームは5点差で勝つ試合というのが何試合かありますが、我々はそこまでの差を見せつけられないというのが現状だと思います。まだまだ、我々は力を付けていかなければいけません。1点差で終わってしまうというのが現実だと思います。ただ、それを勝点3に結び付ける、勝点1をもぎ取るというところでは、前半戦は内容的には全く悪くなかったけれど、勝点3で終わるはずが勝点1に、勝点1に終わるはずが勝点Oに終わってしまった15、6試合があったからこその今だと言えると思います」
以上
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アビスパ福岡:前田 浩二監督
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●前田浩二監督(福岡):
「敗戦は受け入れがたいものがありますが、甲府さんのJ1昇格、J2優勝におめでとうございますと一言お伝えしたいと思います。6000名近くの方に集まっていただいたにも関わらず結果が伴わなかったのは残念ですし、本当に申し訳ないと思っています。また、選手たちはサポーター、ファンのため、子どもたちのためということで力を出し切ったと思います。この負けは受け入れがたいものがありますが、前を向いて進んでいきたいと思います」
Q:前半で3失点。立ち上がりから厳しさが足りなかったように思いますが、監督はどのように捉えていらっしゃいますでしょうか?
「今シーズン、同じようなケースでやられていますけれども、甲府さん相手に悪い面が全部出てしまったと思っています。ただ、皆さんも見てお分かりの通り、後半は甲府さんにあまりチャンスはありませんでしたし、やれば出来るという選手たちがそろっているんですが、窮地に立たないとエンジンがかからないという選手が多く、私がチームを預かってから、自発的、自主的にプレーするというところが課題ですけれども、それでも、一歩、一歩、成長していることは間違いないと思います。ただ経験ということで言えば、甲府さんの平均年齢は30歳、我々は25、6歳だと思いますけれども、明らかにゲーム数、タフさというところ、経験不足が露呈してしまったのかと思います。ただ、そこは言い訳でしかありませんから、自分たちに向きう合う、自分たちで分析する、そして改善する力を養っていかなければ、やはりズルズルと来てしまう。トレーニングから突き詰めてやってはいますが、相手の優勝にかける熱さだったり、自分たちのモチベーションを保つ強さだったりということを含めて、プロとして最後まで戦うという根本的なところが、まだ足りないのかなと思います。私が預かっている選手たちですので、選手たちだけに責任があるのではなく、私自身にも責任があると思っていますので、しっかりと選手とトレーニングを積んで行きたいと思っています」
Q:受け入れがたい敗戦とおっしゃいましたか、どんなところで、そう感じられたのでしょうか?
「後半、我々は積極的にボールを保持して何度かチャンスを作ったということが1点と、前半の45分がもったいないものでした。最初はCKからのセカンドボール、2点目は同点に追いついてからの1分後、3点目が前半残り2分での失点というところでは、普段から気を付けている失点でもあります。同点に追いついてホッとしてしまいましたが、そこで、もう一歩つめなければいけない。相手に隙を与えちゃいけないというところで、相手に勢いを増されてしまうというところが、我々が勝点3を取れない理由でもあります。後半、選手を交代して挽回に入ったわけですけれども、最後の所でのもったいなさに尽きると思っています」
以上
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